山本 さくら
Uターン 入社2年目 / 人事

山本 さくら

エリア:神戸市、職種:食品メーカー

「東京のキラキラした生活に憧れて上京したけど、幸せの定義が変わりました。」ハイヒールを脱いで、神戸で私らしく働く選択について。

憧れの東京、すり減る毎日

大学卒業と同時に上京し、憧れだった表参道のアパレル企業でPRの仕事に就きました。 ドラマで見るようなオシャレなオフィス、社割で買える最新の服、有名人が来るレセプションパーティー。 「私、東京で輝いてる!」 最初は本気でそう思っていました。Instagramに仕事の様子をアップすると、地元の友人から「すごいね!」「キラキラしてる!」とコメントが来て、それが自分の優越感であり、原動力でした。

でも、現実は過酷でした。 華やかに見えるPRの仕事も、裏では地味な調整業務の連続。 展示会前は一週間家に帰れないこともざら。ランチはデスクでウィダーインゼリーを流し込むだけ。 ヒールで歩きすぎて足はマメだらけ。 休日は疲れすぎて泥のように眠るだけ。「東京を楽しむ」余裕なんて、これっぽっちもありませんでした。

たまに早く帰れても、満員電車に揺られていると、ふと涙が出てくる時がありました。 「私、なんのために働いてるんやろ…」 「これが、私のなりたかった大人なんかな…」 東京の街はきらびやかで、でもどこか冷たくて、私の居場所はどこにもないような気がしました。

久しぶりの実家で感じた「余白」

転機は、社会人3年目のお正月。久しぶりに神戸の実家に帰省した時です。 母と二人で、元町まで買い物に出かけました。 買い物の後、海沿いのカフェで紅茶を飲んでいる時、ふと窓の外を見ると、六甲山の緑と、キラキラ光る海が見えました。 ポートタワーが夕日に染まっていました。

「あぁ、空気が美味しいなぁ」 ごく当たり前のことなのに、ものすごく感動してしまったんです。 東京では常に何かに追い立てられているような気がしていましたが、ここにはゆったりとした時間が流れていました。 歩いている人たちの表情も、どこか穏やかで。 誰も走っていなくて、みんなそれぞれのペースで歩いている。

「私が本当に求めていたのは、この『心の余白』やったんかも」 その瞬間、張り詰めていた糸がプツンと切れた気がしました。 「帰ってきたい」 素直にそう思えました。

Uターン転職=都落ち?

正直、Uターン転職には葛藤がありました。 「東京で通用しなかったから帰ってきたって思われるんちゃうか」 「逃げて帰るみたいでかっこ悪い」 「給料めっちゃ下がるんちゃうか」 そんなプライドや不安が邪魔をして、なかなか踏み出せませんでした。

でも、関西ジョブのエージェントさんに相談した時、言われたんです。 「山本さん、それは『都落ち』じゃなくて『選択』ですよ。何を大事にして生きるか、自分で選ぶんですよ」 「東京で頑張った経験は、絶対に関西でも活きます。逃げるんじゃなくて、持ち帰るんです」

その言葉で吹っ切れました。 紹介してもらった今の会社は、神戸の老舗食品メーカー。 アパレルとは全く違う業界ですが、「社員の笑顔を作るんが人事の仕事や」という社長の言葉に惹かれ、入社を決めました。

ハイヒールからスニーカーへ

今の生活は、東京時代とは180度違います。 まず、ヒールを捨てました(笑)。今はもっぱらスニーカーです。 朝は少し早起きして、メリケンパークをジョギングしてから出社するのが日課。海風が本当に気持ちいいんです。

通勤は電車で15分。満員電車で押しつぶされることもありません。 仕事は18時にきっちり終了。以前は「定時で帰るなんて悪」みたいな空気でしたが、今は「さくらちゃん、早よ帰り!ヨガ行くんやろ?」って送り出してくれます。 帰りにスーパーで新鮮な野菜を買って、自炊を楽しむ余裕もできました。 神戸はパンもケーキも美味しいけど、野菜やお肉も安くて美味しいんです。

お給料の額面は確かに少し下がりました(月々3万円くらい)。 でも、家賃が東京の半分以下(1DKで6万円!)になったので、自由に使えるお金はむしろ増えました。 生活の質(QOL)は爆上がりです。

週末は海と山へ

週末は、友人の車で淡路島までドライブしたり、六甲山でハイキングしたり。 東京にいた頃は「週末は話題のスポットに行かなきゃ」「映える写真を撮らなきゃ」って、休みの日まで戦っているような気分でした。 今は、コッペパンを持って海辺でボーッとしたり、山の上でお弁当を食べたり。 「何もしない贅沢」を知りました。

以前は「着飾ること」で自分を保っていましたが、今はスニーカーとデニムで、スッピンに近いメイクで笑っている自分が好きです。 「顔つきが優しくなったね」って、母にも言われます。

神戸という街のちょうど良さ

神戸(関西)の良いところは、都会と自然の距離が近いことです。 最新のファッションやトレンドもちゃんとあるけど、少し歩けば海も山もある。 「コンパクトシティ」ならではの便利さと、心地よさがあります。 東京ほど人が多すぎず、でも田舎すぎない。 自分のペースで呼吸ができる街です。

東京にいた頃は、「何者かにならなきゃ」って焦ってました。 でも今は、「ただの山本さくら」として、毎日を丁寧に生きている実感があります。

1日のスケジュール(理想的!)

時間内容
07:00起床・ヨガ
朝日を浴びてヨガ。朝食は近くのパン屋さんのクロワッサン。
08:30出社
電車で15分。座って読書しながら通勤できます。
09:00業務開始
採用面接や社内研修の企画など。学生さんと話すのが楽しいです。
12:00ランチ
旧居留地のカフェでランチ。テラス席が気持ちいい季節は最高。
13:00面接・社内調整
午後もバリバリ働きます。でもピリピリした空気はありません。
18:00定時退社!
PCを閉じて、「お疲れ様でした!」。
18:30習い事・買い物
週2回は料理教室へ。それ以外は大丸でウィンドウショッピング。
20:00帰宅・自炊
地元の食材を使って夕食作り。最近は魚料理に挑戦中。

山本さんのお気に入りスポット

  1. メリケンパーク
    • 私のランニングコース。BE KOBEのモニュメント前を通ると「神戸にいるんだな」って実感します。
  2. 旧居留地(きゅうきょりゅうち)
    • レトロな洋館が並ぶ街並みは、歩いているだけで映画の主人公になった気分。ブティックやカフェもオシャレです。
  3. フロインドリーブ
    • 教会を改装したカフェ。ここのサンドイッチとクッキーは絶品です。休日のブランチはここって決めてます。

山本さんへの一問一答

Q. 東京に戻りたいとは思いませんか? A. 遊びに行く場所としては大好きです!でも、暮らす場所としては神戸が一番かな。

Q. アパレルの経験は生きてますか? A. はい!採用広報のSNS運用とか、会社説明会の資料作りで「センスいい!」って褒められます。無駄じゃなかったです。

Q. 結婚の予定は…? A. うーん、秘密です(笑)。でも、こっちに帰ってきてから素敵な出会いがありました。将来を考えられる人です。

Q. 関西の男性ってどうですか? A. 面白いし、レディーファーストな人が多い気がします。あと、やっぱり関西弁で話されると落ち着きますね(笑)。

キャリアに迷っているあなたへ

もし今、あなたが都会の喧騒の中で息苦しさを感じているなら。 「ここで逃げたら終わりだ」なんて思わずに、一度立ち止まって、深呼吸してみてください。

キャリアって、バリバリ働くことだけが正解じゃないと思います。 どんな場所で、どんな空気を吸って、誰と笑って過ごしたいか。 それを一番に考えて場所を選ぶのも、立派なキャリア戦略です。

神戸の風は、優しいですよ。 疲れたら、いつでも帰っておいで。港町はいつだって、広い海であなたを受け止めてくれますから。 ハイヒールを脱いで、一緒に歩きましょう。