鈴木 美咲
エリア:大阪市、職種:IT企業
「前の職場は人間関係がドライで…。ここは『お互い様』の精神が強くて、ほんまに働きやすいです。」第二新卒で掴んだ、温かいキャリアについて語ります。
個人主義の東京、孤独だった新人時代
新卒で入社したのは、東京に本社を置く大手IT企業の大阪支社でした。「大手だから安心」「最先端のスキルが身につく」そんな期待を胸に入社しましたが、現実は想像していたものとは少し違っていました。
配属されたチームは、良く言えば「自律している」、悪く言えば「完全に個人商店の集まり」でした。新人研修が終わってプロジェクトに配属されると、先輩たちは自分のタスクに追われ、私が何か質問しようとしても「チャットで送って」「ドキュメント読んでおいて」と、画面から目を離さずに返される日々。 昼休みも、みんな自席で無言でコンビニのおにぎりを食べるか、スマホを見ながら一人で外に行くか。 「チームで仕事をしている」という感覚は、全くありませんでした。
もちろん、自分で調べて解決する力は大切です。エンジニアとして、自走力は必須スキルでしょう。 でも、右も左も分からない新人にとって、気軽に相談できる相手がいない環境は、水のない砂漠に放り出されたようなものでした。 コードレビューは冷徹そのもの。「動けばいいってもんじゃない」「可読性が低い」といった指摘が、修正案やアドバイスもなしに淡々とコメントされるだけ。 「なんでできないの?」「学生気分が抜けてないんじゃない?」という無言の圧力を感じ、次第に朝、駅のホームに立つと動悸がするようになりました。 そして入社からわずか10ヶ月で、体調を崩して退職してしまいました。
「私は社会人失格なんだろうか」 「もう、エンジニアとして働くのは無理かもしれない」
退職後の数ヶ月は、自信を完全に失い、実家の自室に引きこもるような生活を送っていました。パソコンを開くのも怖くなっていました。
「関西ジョブ」で見つけた、“おせっかい”というキーワード
「もう一度だけ、頑張ってみようかな」 そう思えるようになったのは、退職から半年が過ぎた頃でした。 貯金も底をつきかけていたし、何より、心配してくれる親の視線が痛かった。 リハビリがてら転職サイトを眺めていると、ふと目に留まったのが「関西ジョブ」の特集記事でした。『関西の企業は、距離感が近いのが武器や!』という、なんとも泥臭いキャッチコピー。
大手ナビサイトの洗練された美しい求人広告に見慣れていた私にとって、その少し野暮ったい(ごめんなさい笑)けど、熱量の高い言葉たちは、なんだかとても人間臭くて、温かく感じられたのです。 そこには、スペックや給与条件よりも、「どんな人と働くか」「どんな職場で笑い合うか」といった、人間味のある情報がたくさん載っていました。
そこで見つけたのが、今の会社「株式会社○○システム」でした。 求人票の「求める人物像」の欄に、スキル要件よりも大きく書かれていた言葉。
「おせっかいな人、募集」
IT企業なのに、おせっかい? 普通は「ロジカルな人」「自走できる人」とかですよね。 でも、その独特なフレーズが、孤独に働いていた私の心に強く刺さりました。「ここなら、私でもやっていけるかもしれない」と、直感的に応募ボタンを押していました。
面接で「飴ちゃん」をもらった日
面接の日、緊張でガチガチになっていた私を待っていたのは、今の課長(50代のコテコテの大阪人)でした。 会議室に入るなり、「暑かったやろ〜!これ舐めとき!」と、ポケットから「塩飴」を出して渡してくれたんです。
拍子抜けしました。 前の会社の面接では、圧迫面接スレスレの鋭い質問ばかり攻め立てられていたので、こんなに朗らかに迎えられるとは思ってもみなかったからです。 「で、なんで前の会社辞めたん?」 ストレートな質問でしたが、課長の目は優しかったです。 私は正直に、人間関係で躓いたこと、孤独だったこと、自信を失っていることを話しました。途中で少し泣いてしまったかもしれません。
課長は、私の話をじっくり聞いて、深く頷いてくれました。 「前の会社、しんどかったなぁ。よう頑張ったなぁ」 「うちはな、技術も大事やけど、それ以上に『困ってる人をほっとけない』やつらが集まってる会社やねん。技術はあとからなんとでもなる。大事なんは、仲間と飯食って、笑って仕事できるかどうかや」 「鈴木さんがその辛い経験をしたってことは、同じように辛い思いをしてる若手の気持ちがわかるってことや。それは立派な才能やで」
そう言われた時、心の重荷がすっと降りた気がしました。 「ここで働きたい」。理屈ではなく、心からそう思いました。
入社して驚いた「全員参加」の文化
晴れて入社が決まり、現場に入って驚きました。 「おせっかい」は、ただのキャッチコピーじゃなかったんです。
私が新しい言語(Rust)の学習で詰まっていると、隣の席の先輩だけでなく、後ろの席のベテラン社員、果ては通りがかりの別部署の人までが、「どないしたん?」「そこな、俺もハマってん」と寄ってくるんです(笑)。 前の会社ではチャットで済ませていたようなことも、ここでは「ちょっと集まろうか!」とホワイトボードの前に集まってワイワイ議論します。
最初は「えっ、こんなに人の時間奪っていいの?」「自分の評価下がるんじゃないの?」と戸惑いました。 でも、みんな楽しそうなんです。「あーでもない、こーでもない」と言いながら、一緒にエラーログを覗き込んで、解決したら「よっしゃー!」と自分のことのように喜んでくれる。 そこには「教える」「教えられる」という上下関係ではなく、「一緒に解決する」という仲間意識がありました。
トラブル発生!その時、チームは…
入社2年目の時、あるプロジェクトで私のミスが原因で、リリース直前に大きなバグが見つかったことがありました。 血の気が引きました。「また怒られる」「今度こそクビかもしれない」。トラウマが蘇り、パニックになりかけました。
でも、チームの反応は全く違いました。 PMの先輩がすぐに駆け寄ってきて、肩を叩いて言いました。 「鈴木、落ち着け!まずは深呼吸や!」 「ミスは誰にでもある。大事なんは、ここからどうリカバリーするかや。みんなでお前のケツ拭いたるから、お前は目の前の修正に集中しろ!」
その一言で、他のメンバーも一斉に動き出しました。 「俺は顧客への報告資料作るわ!」 「私はテストデータの修正やる!」 「僕、コーヒー買ってきます!」
夜遅くまで作業は続きましたが、誰も嫌な顔一つせず、むしろ「これを乗り越えたらネタになるな!」「終わったら焼肉やな!」と笑い飛ばしてくれました。 バグが修正され、無事にリリースできた時、全員でハイタッチしました。嬉し涙が出ました。 「一人じゃない」って、こんなに心強いものなんですね。
現在の仕事:PM補佐として奔走中
現在は、入社3年目。業務システムの開発プロジェクトで、プロジェクトマネージャー(PM)の補佐をしています。 要件定義の打ち合わせに参加したり、メンバーの進捗管理をサポートしたり、時には自らコードを書くこともあります。
最近嬉しかったのは、初めて一人でお客様との定例ミーティングを任されたこと。 緊張しましたが、先輩たちが事前に何度もロープレに付き合ってくれたおかげで、無事に要望をヒアリングし、提案を通すことができました。 帰社して報告すると、「鈴木さん、やったなぁ!今日は祝杯や!」と、その日のうちに飲み会がセッティングされました(笑)。
1日のスケジュール(ある出社日の例)
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 09:00 | 出社・朝会 昨日の進捗と今日の予定を共有。雑談多めで和やかな雰囲気。 |
| 09:30 | メールチェック・タスク整理 お客様からの問い合わせ対応など。 |
| 10:00 | 設計レビュー 後輩が書いた設計書をレビュー。昔の自分を思い出して丁寧にコメントします。 |
| 12:00 | ランチ 同僚と近くの定食屋へ。「あそこの親子丼が美味い」とか言いながら。 |
| 13:00 | クライアント定例MTG Zoomでお客様と打ち合わせ。PMのサポートとして議事録も取ります。 |
| 15:00 | 集中開発タイム イヤホンをしてコードを書く時間。 |
| 16:00 | おやつ休憩 誰かが買ってきたお土産が配られる。「これ食べや〜」タイム。 |
| 18:00 | 退社 今日はノー残業デー。梅田で買い物してから帰ります。 |
大阪での生活:安くて、美味くて、近い
生活面でも、関西(大阪)での暮らしは最高です。 私は現在、会社の近く(大阪市福島区)で一人暮らしをしていますが、家賃は東京時代の2/3程度。 それでいて部屋は広く、オートロック付きの綺麗なマンションです。
福島区は「グルメの街」としても有名で、安くて美味しいお店が路地裏にびっしり。 仕事帰りにふらっと入った立ち飲み屋さんで、常連のおっちゃんやお姉さんと仲良くなることもしょっちゅうです。 東京にいた頃は、隣の部屋に誰が住んでいるかも知りませんでしたが、ここでは街全体が「ご近所さん」みたいな距離感。寂しさを感じる暇がありません。
休日は、梅田まで電車で3分、自転車でも行ける距離なので、買い物には全く困りません。 少し遠出したい時は、阪神電車に乗れば神戸・三宮まで30分足らず。海を見ながらカフェで読書、なんて優雅な休日も気軽に楽しめます。
よく行くランチスポット BEST3
- おかんの食堂(仮名)
- 会社の裏にある定食屋さん。日替わり定食が650円!お味噌汁が身体に染みます。おばちゃんが「今日顔色ええな!」とか声かけてくれます。
- スパイスカレー激戦区
- 大阪はスパイスカレーの聖地。毎週金曜日はチームメンバーと新しいカレー屋を開拓するのが恒例行事です。
- 手作り弁当
- たまには節約して公園で。靱公園(うつぼこうえん)のバラ園を見ながら食べるとリフレッシュできます。
鈴木さんへの一問一答
Q. 転職して年収はどうなりましたか? A. 額面は少し下がりましたが、家賃などの固定費が下がったので、自由に使えるお金は月5万円くらい増えました!貯金もできてます。
Q. 大阪弁、うつりましたか? A. 完全にうつりました(笑)。最初はエセ関西弁って言われましたが、今はツッコミも板についてきたと言われます。
Q. 将来の夢は? A. 今の課長みたいな、部下を守れるPMになりたいです。「鈴木さんのチームなら安心」って言われるようになりたいですね。
Q. 休日の過ごし方は? A. 最近はサウナにハマってます。大阪市内には良い銭湯がたくさんあるので、サ活で整ってます。
Q. 恋人は…? A. ノーコメントでお願いします(笑)。でも、出会いはたくさんありますよ!
就活中・転職活動中の皆さんへ
もし今、あなたが「仕事が辛い」「人間関係に疲れた」と感じているなら、それはあなたの能力のせいではなく、単に「場所」が合っていないだけかもしれません。 植物だって、日陰が好きな花もあれば、日向じゃないと枯れてしまう花もあります。 自分が咲ける場所を探すことは、逃げではありません。戦略的な撤退であり、前進です。
「成長しなきゃ」「自立しなきゃ」と自分を追い込む前に、一度深呼吸して、周りを見てみてください。 そして、もし「もっと人間らしく、温かい環境で働きたい」と思うなら、ぜひ関西に来てみませんか?
ここには、あなたの弱さごと受け入れて、おせっかいに背中を押してくれる仲間がたくさん待っています。 失敗しても、「しゃーないな!」って笑って助けてくれる人がいます。 スキルは後からついてきます。まずは、あなたが笑顔でいられる場所を探してください。
それが、関西にあるなら、私たちは全力であなたを歓迎しますよ! いつでもオフィスに遊びに来てください。美味しい飴ちゃん用意して待ってます!